だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

沖縄編7 ー正しいホテルの選び方ー

 

ビジネスホテルが好きだ。 

 

お風呂にトイレ・立方体のお手本のような冷蔵庫。狭い室内に必要なものが全部そろっている。ドライヤーの風力不足や夜中の物音など問題点はあるものの、ドライヤーは家からもっていけばいいし、廊下に遠い方に枕を置いて耳詮をすれば騒音も気にならない。(耳詮はあらかじめ1センチ程に切っておくとなおよい、完全に塞いでしまうと有事の際、逃げ遅れる可能性があるからだ。)持ち込みも自由だし、チェックインの時間も融通がきく。1人旅にはうってつけの場所だ。

 

人工ビーチを有したリゾートホテルもとれなくはなかったが、そういうところは、こちらが1人と知るや否や足元を見るように高額な料金を提示してくる。とんだ迫害。リア充専用ならそう書いといて欲しい。

 

私のホテル選びのポイントは「狭さ・清潔感・立地・料金」この4つである。

 

普通は部屋の広さを重要視するものだが、それは複数で行く場合に限られる。1人だと空間が余っている分だけ虚しさが湧くものだし、視界の端に幽霊とかわいてきそうで怖い。(デッドスペースだけにね、なんつって)

 

以前、家庭内別居をしていた頃、夫とケンカになり1人旅に出たことがあった。理由は長年夫が放置していた大量のレシートを私が捨てたこと。夫の主張によると、その中に割引券が混じっていたという。

 

何年も大事に貯めていたのに俺の努力が水の泡だ、どうしてくれる。というわけだ。確かに無断で人のものを捨てた私も悪い。私はゴム手袋をはめ、ゴミ袋を漁った。1枚1枚レシートを検めていく。生ごみひっかきまわしたにもかかわらず割引券は出てこなかった。夫は

 

「混じってたかもしんないって言っただけだし」

 

と子供のような言い訳をし、私は海が見える旅館を予約する。

 

1日8組しか予約をとらない、地味だけど手入れが行き届いた旅館だった。入ってすぐ靴箱があり、奥にトイレと洗面所。障子戸を開けると10畳ほどの和室、床の間には掛け軸と木彫りの置物。コントに出てきそうなオーソドックスな部屋である。

 

最高なのは景色だ、窓から一面海しか見えない。私は窓辺に布団を敷いて、日が暮れるまで日本海の深い青を眺めていた。

 

問題は夜だった。

 

怖がりは想像力が豊かだ。壁の小さなシミ、行燈の灯り、謎の置物。全てにホラーじみた由来を見出してしまう。髪の長い女がいつ現れてきても不思議じゃない雰囲気だ。夜中にトイレに起きてもいいよう、入口の電気はつけっぱなしにしていたが、障子戸を破って無数の手が伸びてくる映像が浮かび、布団から出られない。トイレは朝まで我慢した。

 

それから1人旅ではビジネスホテルを利用している。

  

ベッドに占拠されたような小さな部屋は、幽霊に出る隙を与えない。配置によってはお風呂につかりながらテレビを見ることもでき、チャンネルを変えるため素っ裸で出て行こうが咎める者もいない。まさに天国。

 

私は沖縄に滞在するにあたり、ホテルの候補を3つに絞った。

 

1つ目は海にほど近く比較的新しい所、キッチンがあり自炊も可能な滞在型のコンドミニアムだ。料金も手ごろで申し分なかったのだが、広すぎるので却下した。

 

2つ目は家族経営らしいこじんまりとしたビジネスホテル。なにより気になったのがそこの宿泊プランである。"女性に限り占いをサービスします"オーナーの奥様が趣味で手相占いをしており、無料でみてくれるらしい。占いに特別興味はないが

 

趣味の

 

手相を

 

サービスとして提供するという考え

 

 

 

 

 

・・ものすごい惹かれる。

 

 

 

さらに説明を読むと、"女性に限定しているのは男性だと恥ずかしいから"と書かれており、オーナー夫妻会いたさに予約ボタンを連打しそうになった。ここは立地の問題で断念。

 

3つ目のホテルは最高だった。清潔で狭くて静か、重いドアを開けた瞬間一目で気に入る。荷物を広げ、使い捨てスリッパに履き替えると、小さな机にスーパーで買ったお惣菜を並べた。

 

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グルクン・・原型がどんなものか知らないがとてもおいしい。

 

(ああ1人、ここに私を知る人は誰もいないんだわ。)

 

ふいに多幸感に襲われる。グルクンをさんぴん茶で流し込みながら、ビジネスホテルに永住する自分を夢想した。

 

しかし、その時の私はまだ知らない。結局私は占いをしてもらうことになり、そこで衝撃の宣告をうけることを

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは今、地獄にいます。」