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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

File No.15 花に名前をつける人

 

社会復帰にむけて、散歩をしている。

 

といってもちょっと遠くのコンビニ目指して歩くだけ、車では一瞬で見過ごしてしまうような小さな発見がある。

 

例えば家の近所の歩道には何故だかパチンコ玉が転がっている。

 

きのうだけで2コ落ちていたから毎日集めれば2年ちょっとで4千円弱稼げる計算だ。ニートにはおいしいバイトだが、ポケットでパチンコ玉じゃらじゃらいわせながら歩いてる中年女は異様だな。

 

あと、おじさんも転がっていた。具合が悪いのかと注意して見るとゆったりと壁に頭をあずけ缶コーヒー飲んでた。ただの日光浴らしい。この1週間で1人だから2年で104人ほどのおじさんを集められる計算だ。104人のおじさんを集めて応募するともれなく坂口健太郎をプレゼント!というキャンペーンがあったらいいのにな。

 

草地に春の花が咲いていた。

 

薄紫の小さな花弁、葉はさらに小さく細い茎の下で根が這うように広がっている。明らかに雑草なのだけれど、私は昔からこの花が大好きだ。小さい頃は極小の花を散らさないよう注意深く摘んでは、ミニミニブーケを作り1人楽しんだものだ。

 

小学3年生になってその花が理科の教科書にのっているのをみつける。オオイヌノフグリと書かれていた。そうかあの花はオオイヌノフグリというのか。変わった響きだけれど何より自分の好きな花の名前を知れたことが嬉しかった。

 

それからその花をみるたびに「ねぇ見て、私このオオイヌノフグリが好きなの」「かわいいよねオオイヌノフグリ」としきりに友達に言っていた。

 

授業で外に出た時も得意気に話していたら、そばにいた先生が「オオイヌノフグリの意味知ってる?」と聞いてきた。私は首を振る。

 

 

 

 

「でっかい犬のキン〇マって意味だよ」

 

 

 

先生の口から発せられた言葉とは思えなかった。しきりとオオイヌノフグリを連呼する私に(こいつ絶対意味わかってねぇな)とよそで恥をかかないよう教えてくれたのだろうか。だとすれば先生大正解。ただ私はその先生も大好きだったので、例えそれが揺るぎない事実であろうとも、先生の口からでっかい犬のキン〇マなどという単語は聞きたくなかった。できれば小さなメモ用紙などに書いてそっと渡して欲しかった。友達が苦笑いしている。

 

それにしても名づけ親よ。

 

先生に意味を尋ねられた時、瞬時によぎったのはスサノオノミコトみたいに「その昔、出雲の国にオオイヌノフグリという王子がおりました」的なストーリーで間違ってもでっかい犬のキン〇マなんて子供が落書きでも使わないような言葉ではなかったのに。

 

一体だれがどういう状況であの可憐で小さな花をつかまえて

 

「これはでっかい犬のキン〇マに似ているな、そうだオオイヌノフグリと名付けよう!」  

 

となるのだ。ガサツにもほどがある。あの花に似合うのは春呼草とか、畦道の妖精とかであって断じてオオイヌノフグリではない。正式に理科の教科書などに載せていいはずの名前ではないのだ。

 

私だって伊達に年は取ってない、でっかい犬のキン〇マの1つや2つ見たことある。

 

だけどちっともにてやしねぇじゃないですか。100歩譲って猫だろう。猫の後ろにくっついたまぬけなポヨン、あれならぴったりとまではいかないけれど許容の範囲内。オオネコノフグリにしときなさいよ。

 

春になりあの花を見つけるたびに、名づけ親を正座させこんこんと説教したい気分になる。