読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

寂しん坊のおしゃべリスト

私はよく、知らない人に話しかけられる。

 

いや「知らない年配の方々に話しかけられる。」が正しいか。気づいたのは20代後半、コンビニでおにぎりを選んでいた時のことだった。横に並んだ50代と思しき女性が

 

 

「えー、息子にどのおにぎりを買ったら良いの?」

 

 

と相談してきたのだ。私は戸惑いながらも「・・無難な線をいくのなら鮭ですが、鳥唐揚げマヨあたりをせめていってもいいかもしれないですね。」と答えた。女性は「ん、そうね」と辛子明太子おにぎりを取り行ってしまった。

 

公園のベンチで一休みするつもりが、同居する嫁と折り合いが悪いおじいさんと話こんでいた・・なんてこともある。

 

どうもみんな、私と話したいというよりは"話す"という行為自体が目的らしかった。

 

友人と話していてモヤっとしたことを家族に言っても「あっそ」と聞き流されたり、テレビの一場面を見て頭にきたとしても(こんなこと話したらくだらない人と思われるかな)と自分の中で処理して貯め込んでしまうことは誰でもあるだろう。

 

そんな時、無害そうな部外者がぽけーっとたっているのだ。話しかけない方がうそである。

 

相手にとって私が家族や友人ではない"行きずりの誰か"であるからこそ、取り立てておもしろいってわけでもないけどとにかく誰かに聞いて欲しいって話をしやすいのかもしれない。

 

しかし私もいつでもウェルカムではないので、普段はなるべく人気の少ない時間・場所を選び、誰かとすれ違う際は目を合わせないようにして歩いている。

 

この前、たまたま犬と公園を通りかかり、よってみようという気になった。公園にはすでに犬をつれて遊びに来ている人たちがいて知らない者同士、犬を介して談笑したりしている。

 

私はその小さな塊をさりげなく避けつつ歩いた。すると前方からミニチュアダックスを連れた女性が歩いてくる。すれ違いざま犬同士が鼻をくっつけたのをきっかけに話しかけられた。

 

「かわいいですね、何歳ですか?」

 

「9才です」

 

長引く前に立ち去ろうとすると、犬が前足をタタッと踏み鳴らしミニチュアダックスを遊びに誘った。相手も尻尾をふって目を輝かせる。

 

「・・お、珍しい」思わず言ってしまう。

 

「そうなんですか?」

 

「家の犬、正面からじっと見てしまう癖があって大抵初対面のわんちゃんにはひかれちゃうんです。目が大きいっていうのもあると思うんですけど。ペットショップの子犬にすら激怒されちゃって(笑)だからこんなまともに相手してもらえるなんて珍しいなって・・」

 

「へぇ、フレンチですか?」

 

「はい、太ってだいぶブル寄りなっちゃってるんですが(笑)獣医さんにはダイエットさせて下さいって言われてるんです。けどなかなか(笑)もう1匹のご飯食べちゃったりするんですよね~。食い意地が張ってるのかなこの前なんて・・」

 

「そ、そうですか~ふふっそれじゃ~」

 

「あ、はいー・・」

 

去っていくミニチュアダックスと飼い主さんを見送りながら私は思った。

 

 

 

 

 

全っ然しゃべりたりねぇ!!

 

 

 

 

他人と話すのが久しぶり過ぎて、溜まっていたものが一気に溶解。自分でもなにこれしゃべりすぎと思いながらも歯止めがきかなかった。

 

(・・今度誰かに話しかけられたらいっぱい聞いてあげよう)

犬の尻をふきながら考えた午後だった。