だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

男女がぶつかって気絶するとどうなるか

小学生の頃、活発だった私は運動会の準備に奔走していた。放課後、教室での作業が一段落つくと先生が万国旗が入っている箱が体育館にあるはずだと言った。私は同じ班の子と二人、探しに行くことにする。

 

とにかく元気がありあまっていた私は遅れをとる班の子に構わず体育館の隅から隅まで走り回った。体育館周りのギャラリーにはないことがわかったので、今度は舞台の反対側にある放送室を探すことにする。

 

 

 

る私、舞台袖まできたところで急に目の前が真っ暗になる。

ふわりとした時間の後、どんっという衝撃とともに砂嵐が見えた。

 

 

 

 

(あれ?なんだどした?)

 

 

 

 

私はかたい床の上に仰向けに倒れていた。その姿勢のまま顔だけ上げると反対側にも同じ体勢で頭を上げている男子生徒がいる。私はわけもわからず体を起こした

 

見回すと一緒に来ていたはずの同じ班の子はいなくなっており、同級生が二人少し離れたところで興味深そうにこちらを見ていた。

 

私と男子生徒は言葉を交わすことなく舞台を降りる。

 

自分の身に何が起きたのか理解できないまま教室へ戻った。教室では一緒に体育館に行った子が作業している。何故おいていったのか聞くと、声をかけても起きないので私がふざけていると思い先に帰ったと言った。おそらく舞台で見ていた同級生二人も同じだろう。

 

ひょうきん者キャラはこういう時に損をする。

 

万国旗は別の場所で誰かが見つけたようですでに教室に届いていた。再び作業に加わる。しかし、しばらくするとめまいがして吐き気に見舞われた。先生にさっきどうも男子生徒とぶつかって倒れたようでそのせいかわからないがとても気持ちが悪いのだと言った。先生は今日はもう帰っていいと言う。おとなしく従うことにした。

 

家に帰ると気持ち悪さがいっそう増す。

 

母に事情を話し居間で横になった。父の声で目を覚ます。母から頭を打ったと聞かされて仕事を中断して様子を見に来たのだ。せっかく寝てたのにと私は泣いた。両親はそれが頭が痛くて泣いていると勘違いして私を病院に連れて行くため車に乗せた。

 

ひとしきり泣くと気分がすっかりよくなった。

 

久々の両親との外出、しかも兄抜きである。陽気にふるまう私に病院は不要かと相談し合う親たち、砂嵐を見ていることだし念のため医者に診せようという結論に至った。

 

医者の問診をうける。

 

とても高圧的な医者でしどろもどろになった。学校や家ではひょうきん者キャラで通っているが根は人見知りなのだ。気は失っていないのだねと聞かれつい「はい」と答えてしまう。

 

「で、どこをぶつけたの?」

 

聞かれても意識がなかったのだわかるはずがない。適当に後頭部を指すとレントゲン写真を見た医者はその場所に気なる影があると言った。

 

CTをとることになる。

 

待っている間、母に何故本当のことを言わないのか詰め寄られた。あんたのそういうはっきりしない態度がよくないのだと待合室で散々怒られる。

 

CTの結果も異状なし。

 

そのまま帰ることとなったが、両親にはいつまでも医者の前でのもじもじした態度について責められた。

 

私はこの経験でわかったのは、ひょうきん者キャラはいざという時ホンキにとらえてもらえないということ、そしてドラマや漫画のように男女がぶつかって気絶したとて中身が入れ替わることはないということだ。

 

後日、全校集会で数人の名前が呼ばれ舞台にあげられた。

私は「あっ」と声を発しそうになる。ぶつかった男子生徒がいたからだ。男の子は遅刻が多すぎるとみんなの前で叱られ憮然としていた。

 

 

 

 

 

私は心の中で石頭め、ざまーみろと思った。

 

 

 

 

男女がぶつかって気絶しても中身が入れ替わることもなければ恋に落ちることもない。

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