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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

犬使いの笛 前編

過去



あなたは犬笛をご存知か

 




私の知っている犬笛とは、鉄製でチェーンがついた細長い形状のもの。主に犬を呼び寄せる道具である。犬笛をひと吹きすればそこら中の犬たちが我先にと集まり、言うことをきいてくれる。そんな様子を漫画やアニメでみてきた私は、いつしか犬笛を手に入れる日を夢みるようになっていた。

ひと吹きするだけで、ハーメルンの笛吹きよろしく犬がわんさと集まってくる。なんてハーレム!団地のおばちゃんが飼っているマルチーズも、通学路で見かける秋田犬も、みんなみんな私のもの!

ある時は
家に強盗が入った。

犬笛ピー!

ワンワンワン”悪いヤツめ俺たちが八つ裂きにしてくれる”

強盗「お助け~!!」

またある時は
突然のどが渇いた。

犬笛ピー!

ワンワンワン”はい、スプライト”

「気が利いてる~♪」


犬笛を手に入れる=世界を手にしたようなものである。
万人万犬のみならず全ての愛犬家を魅了する代物だ、きっと”犬上家”とか面妖な名前の一族が座敷の天袋などに厳重に保管しているに違いない。跡継ぎが生まれ、その子が厳しい修行を経て立派な犬使いになったと認められた日に犬笛を授けるのだ。となると私が犬笛を手に入れるには、犬上家の嫁になるほか手段はない。”自由恋愛”をとるか”大いなる力”をとるか、思春期の私には難しい問題であった。悩ましい日々を送っていた矢先、見つけてしまった。近所のコメリでウサギのおやつを物色している時に・・他のポップなおもちゃに紛れ、鈍く光る銀色の物体。




犬笛



わななく腕を抑え、商品の説明書きを読む私。そこには”周囲に人がたくさんいる場合などは使用しないで下さい”という警告文が・・

 

 


本物だ



そりゃ人がたくさんいる所で犬集まってきたらパニックだんね?!当然だよ!!
しかし、犬上家の家宝であるはずの犬笛がなぜここに、悪用されたら国家をも揺るがす大事ではないのか。そこで閃くものがあった。

(これはあれだ!映画とかでよく見る展開。いじめられっこの主人公がたまたま入った古物屋で魔法のランプを見つける・・的な。偶然拾った腕輪には実は不思議な力が宿っていて・・的なあれ!)

つまり私は選ばれたのだ犬笛に。

お母さんの買い物の付き合いと思っていたが、来るべくして来ていた。コメリに導かれていたのだ。ああ、なんて運命!わかったよ犬上家。どんな事情があったかは知らないが、大切な犬笛確かに受け取った。これからは犬使いとして立派に生きていくことを約束しよう。私は犬笛を手に取りレジに向かった。コーコココケッコーとコメリのBGMを口ずさみながら。

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