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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

河童

河(かわ)の童(わらし)と書いて「かっぱ」と読む。

 

 

 

私は河童を見た。

 

 

 

大きな川へ犬達を連れて散歩に行ったときのことだった。夏になると水浴びを兼ねて遠くの川に足を延ばす。水は小さな滝を作って涼し気に白波をたてていた。

 

犬達が、夏の日差しを吸収して熱くなった体を冷やそうと水にズンズン入っていってちょうどよい場所で腹這いになる。自分で濁らせた水を舐めて嬉しそうだ。大きな石に腰かけリードを伸ばし犬を遊ばせていると、

 

川下からなにかやって来た。

 

小学生くらいのおそらく姉弟だろう二人組が、スクール水着姿で私達の方へ上ってきたのだ。私は犬がじゃれつかないよう慌ててリードを引き寄せる。その間も姉弟は無言で川を上って来る。

 

もう1匹の犬を連れて中州で遊んでいた兄に警告を発すると、姉の方は陸に上がってどこかへ行ってしまった。しかし、弟の方は兄と犬の方へ向かって中州を目指し歩き始めた。

 

(犬を触りたいのかな)

 

と思ったが、男の子が向かった先にいる犬は警戒心が強く、知らない人には噛みついてしまうこともある。兄は興奮する犬を抱えて男の子とすれ違った。男の子は何も言わず中州が当初からの目的地だったように一人遊びを始める。

 

私から犬を触らせに行くのも変だし。と思い川岸で犬と遊んでいた。しばらくすると男の子の姿が見えない。帰ったのだろうと思ったが一応心配なので周りを見回した。

 

「いた」

 

私達のすぐ近くの浅瀬で、体育座りのような姿勢で水に肩まで浸かっている。まっすぐ前を見ているその姿は頭に小さな皿を乗せれば河童そのものであった。自然環境と日本の将来について考えているのか、すごく真面目な顔をしていた。

 

しばらく見ていると男の子は呼びに来た姉に連れられ、風呂からあがるおっさんのごとく立ち上がり、私達のすぐ横を通りすぎて帰って行った。私達は思った。

 

 

 

 

「何がしたかったんだ?!」

 

 

 

 

河童くんとはその後会っていない。 

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