だからって終わってるわけじゃない

・・からツライのかもしんないけど

File No.6 最低人間s

「かわいい人」というくくりで今まで出会ったおもしろい人・ちょっと変な人やイラっとする人たちを紹介している。兄は決してかわいくないが、視点を変えることで幼い頃のトラウマ思い出がプラスに転化できるのではないかという思いからこれを書いている。

 

 

 

「ドSのお兄ちゃん」というと兄と妹に夢を持った人々のエロい妄想をかきたててしまいそうだが、あえて言う兄はドSだ

 

 

いとこと遊んでいる時、おのおの新聞紙で刀を作りちゃんばらをしようということになった。私といとこは適当に新聞紙を丸めテープで止めたが兄はもてる知識を総動員し強度を高めた。芯となる部分に広告の堅い紙を入れ、一部の隙間もできないようまるで太巻きでも作るかのようにぎっちぎっちに丸めていく。結果私といとこはボロボロになった新聞紙を手に逃げまどい、高笑いする兄にこん棒のような新聞紙で殴打されることになる。

 

親戚の家で留守番した時もそうだ。

 

「みんな仲良くね~」

 

そういい残し母たちが買い物に行こうと玄関のドアを閉めたか閉めないかのうちに、兄はニヤニヤ笑いながら腰のベルトを引き抜いた。後ずさりする私と親戚の子、兄の表情にただならぬものを感じたのだ。私たちはいっせいに駆け出す。

 

 

 

 

 

「ひゃはははははは」

 

 

 

 

兄の笑い声が追って来た。捕まれば恐ろしいことになることはわかりっきってる。私と親戚の子は必死で逃げた。兄がひゅっとベルトを振るう。「あぅっ」背中に当たったのだろう親戚の子が苦悶の表情を浮かべた。

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坊主頭にランニング姿の彼が背中をベルトで打たれ痛みに身をよじっている様子に、私は噴き出してしまった。つられて親戚の子も笑う。兄は高笑いしながらさらにベルトを振り回す。

 

 

 

 

狭い団地の一室は狂気の館と化していた。

 

 

 

しかし、恐怖の時間は意外な形で幕を閉じる。私と親戚の子が廊下を同時にすり抜けようとして棚を倒してしまったのだ。そこには彼の家の食器という食器すべてが収納されていた。

 

ここで兄はドSの本領を発揮する

 

あーぁ、お前のせいだぞ」自分が追い回したことを棚に上げ、最年少の私に全ての責任を押し付けたのだ。「片づけとけよ」と言い残し親戚の子と連れ立って二階でファミコンに興じる。

 

私は割れた食器が散乱する台所に一人取り残された。

 

兄はとんでもない鬼畜野郎だ。どういうわけで同じ両親から私のような誠実な人間と兄のようなくされ外道が生まれるのか全くわからない。

 

帰ってきた母は家の惨状を見て大騒ぎ・・したらしい。私は寝ていたのだ。全然眠れなかったが汗だくになって寝通した。兄に揺さぶられようが蹴られようが絶対に目を開けなかった。寝たまま帰ったので怒られずに済んだ。そしてほとぼりが冷めるまで約半年、親戚の家に足を踏み入れることはなかった。

 

とにかく兄は最低だ。

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