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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

明けない夜の怪談話 2夜

恋愛

男性陣と合流したのち、娘は居酒屋でトイレに行ったのでございます。そこで何故かナプキンを交換しようと思い立ちました。生理はきておりませんでしたが、股間がきれいな状態で男の傍にいたかったのかもしれません。とにかく交換いたしたのでございます。しかし、それ用のゴミ箱が見当たらず右往左往。”あとで捨てればいっか”と軽い気持ちでお風呂セットの中にポイと入れてしまったのでございます。

 

お風呂セットが入っておりましたのは、そこらのお店でもらったビニール製の袋。口は開いておりました。あなた様がもし誰かの忘れ物を見つけたとしてまずやることはなんでございましょう。

 

 

 

中身を確認し、持ち主の手がかりを探すのではございませんか。

 

 

娘は頭が真っ白になりました。

使用済みナプキンが入ったお風呂セットを忘れるというとんでもないミスを犯したのでございます。一縷の望みをかけてお店に電話いたしました。

 

「そういった忘れ物は・・見当たらないですね~」

 

項垂れる娘のために、友達が男性陣の一人に問い合わせてくれました。

 

 

 

「預かってるって!よかったね~」

 

 

 

全然良くなかったのでございます。

むしろ路上に放置され、ゴミとして捨てられていた方がどんなによかったことでしょう。とにかく一刻も早く取り戻さねばと思った娘は、男性陣の一人と待ち合わせしてお風呂セットを受け取りに行きました。

 

「はい、これでしょ?」

 

「ああありがとうございます~すいませんうっかりしちゃってお手数おかけました」

 

「いいよ、みんな酔ってたしね」

 

優しく微笑む男性に、娘は恐る恐る尋ねたのでございます。

 

「・・あの、もしかして中身を見ちゃったりなんかしちゃったりは・・」

 

 

 

 

 

 

 

「みんなで袋ひっくり返して全部見た」

 

(ひいいいいいいいいぃぃぃぃっ)

 

 

「冗談、中は見てないって」

 

「ははは・・(絶対嘘だ)」

 

男性陣に使用済みの生理用ナプキンを見られた。使用済みの生理用ナプキンを見られた。彼に使用済みのナプキン見られた。大好きな彼に使用済みナプキンを・・

 

もう下着のことなんかどうでもよかったそうでございます。

 

「女」として決して男性には見せてはいけない面を見せてしまった娘。恋愛以前の問題でございましたが、娘は男性の優しい嘘を強引に信じ片思いを続行したそうでございます。そうでもしないと逃げ出さずにはいられなかったと娘は後に白状いたしました。

 

10年以上たった今でも、ふいに思い出しては「うああ゛あ゛あ゛あ゛」と床を転げ回りたい衝動に駆られるそうでございます。娘の片思いはあの時に終わっていたのです。いいえ、最初に告白して断られた時点ですでに終わっていたのかもしれません。失恋の傷口に岩塩を塗りたくったのは誰あろう娘自身でございました。

 

数年後、娘は地元の男と結婚いたしました。その時はすでに片思いの相手だった男が自衛隊に入ったと風の噂で聞いていたのでございます。”使用済みのナプキンを見たトラウマのせいでなければいいけどね”と自嘲気味に笑った娘の顔を、今でも忘れることができません。えっどうして泣いているのかって?

 

年老いた婆には朝日が眩し過ぎるのでございます。

 

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