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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

女図鑑 下

恋愛

 

・・・・髪が逆立っている、白い顔・・眉毛ゲジゲジ・・鼻の下が異様に長い、ふふふっロバみたい・・

 

 

 

 

 

つーか誰?!

 

 

 

 

 

私は飛び起きた。6畳くらいの和室に布団が敷き詰められている。横でロバが口を開け寝息を立てていた。髪が長いから一瞬女性かと思ったが、布団からとび出る足は毛むくじゃら、男性以外の何物でもない。どこだここは?何があった?私なんで?この人はいったい

混乱して立ち尽くす私、ロバの向こうから誰かががむくりと顔を上げた。

 

「起きたかい」

 

スネ夫だった。

 

友達に聞くとこうだ。居酒屋でジャイアンと一戦交え、気分が台無しになった私達は別の店で飲み直すことにした。男性陣も合流し、カラオケなどで盛り上がったという。そこへ再びスネ夫が登場、何故だか私だけをかっさらい帰っていったと言うのだ。

 

「なんで止めてくれなかったの?」

 

「ゴメン。すごい剣幕で止められなかった」

 

そして残された女子たちがどうしたかというと、寮に帰るとジャイアンの差し金で鍵がしめられていて入れない。しかたなく男性寮にお邪魔して、みんなで雑魚寝したというのだ。その”みんな”には私の片思いの相手も含まれる。女子たちが私の大好きな彼と肩を並べて眠っていた頃、私はロバを挟んでスネ夫と川の字。

 

(何という不運、スネ夫に好かれたばっかりに・・)

 

私は酒の恐ろしさと自分の運の悪さに苦悶する。

 

謎のロバは、スネ夫の彼氏だった。10も年下だと聞かされ、私はついやさぐれ気味に「やりますね」と言ってしまったが、スネ夫はまんざらでもない顔をしていた。きっと私を助けたつもりだったのだろう。心の中で涙を流しながら、昨夜のお礼を言った。何故あえて彼氏を挟んで寝る方法をとったのかは、聞く勇気はなかった。( 誤解のないよう、私の貞操は守られたということだけは記しておく。)

 

不運は続いた。猛烈片思い中の彼にフラれた挙句、彼が新しくきた芸能人似の17歳とあっという間に付き合いだしたのだ。 ”泣きっ面に前田愛”とはこのことである。

 

失意のバイト最終日、大荷物を抱え駅に向かっていると、Aさんとばったり出くわした。ジャイアンには”派手で趣味が悪い”と陰口を叩かれていたが、本人はどこ吹く風、いつも背筋を伸ばし堂々としていた。

 

挨拶をして別れる。

 

その後、Bさんから彼氏と別れたと知らされた。あんなにラブラブだったのに、人はわからないものだ。Bさんにはよく相談にのってもらったが、私の話していたことを包み隠さず(見えるのに手が届かない彼を”星”に例え泣いたことでさえ)本人を含め、ほぼ全ての男性アルバイトに暴露していたことが判明。以来、Bさんと連絡をとることはなくなった。バツイチ子持ちのCさんは、同じ職場にいた男性と再婚した。Dさんは新しいギャグを仕入れたであろうか。一番驚いたのはスネツグだった。仕事中にお客さまと恋に落ち、部屋でイチャついている所を目撃されクビになったというのだ。スネ夫ジャイアンのその後は知らない。年下の彼氏とうまくやっているのだろうか、相変わらず若い子をいじめて楽しんでいそうな気がする。

 

最終日、Aさんと交わした会話思い出す

「帰るんだって?」

「はい、短い間でしたがお世話になりました」

「あんた達もいじめられたり色々あったみたいだけど」

「あ~・・ははっ」

 

 

 

 

 

「イイ女にならなきゃダメよ。イイ女になりなさい」

 

タバコの煙をまとい、赤いハイヒールで坂を上る姿が今も目に焼き付いている。

 
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