「兄」「妹」漫画やアニメの世界では、何か背徳的で甘美な響きを持って使用されがちだが、現実はそんなんじゃないよってことを今日は話す。
とかく”兄”という生き物は、先に生まれた・妹より力が強い、ということだけで勘違いしてしまう生き物らしい。我が家を例に検証していこう。
勘違い1:妹にはパロスペシャルをかけてもよい。
キン肉マンをピンチに陥れたその技を幼い妹にするというのは、まったく常軌を逸しているとしか思えない。が、”兄”はやる。
勘違い2:妹には「バーカ」以外言わなくてよい。
妹「なんだよお兄ちゃんなんて」
兄「うるさいバーカ」
妹「バカって言ってダメなんだよ!」
兄「バーカ」
妹「アーホ」
兄「バーカ」
妹「クーソ」
兄「バーカ」
妹「シーネ」
兄「バーカ」
妹「・・・」
兄「バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカバーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカバーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカバーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカバーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカ、バーカバーカ、バーカ、バーカ、バー」
妹「うわあああぁぁ、おかあさ~ん」
という一連の流れ。
勘違い3:妹はかくれんぼだと称して、押し入れに閉じ込めてもよい。
オバケを恐れる妹にとって押し入れは襖をあけて使用するもの。それを閉じられ外から押さえられたらパニックになるのは当然である。完全にトラウマとなったこの事件は、三十路を過ぎてお化け屋敷で号泣するなど、未だに私の人生に深い影を落としている。
その他、屋外では腐ったカボチャを投げつけてもよい。とか高いところに座った妹の両足を引っ張り泣きわめく姿を、一番近くであざ笑ってもよい。など挙げだしたらキリがない!・・ちょっと兄の部屋に犬のフンおいてくる。
失礼した。
しかし、”妹”もただのバーカではない。”兄”から自衛するすべを学んでいく。
自衛策1:兄が書いたラブレターの返事を盗み読む。
気づかれずにやるのが鉄則。いくら泣かされても(そんな顔して、気持ち悪い手紙書いてやんの)と思えば少しは溜飲が下がる。
自衛策2:風邪をひいて弱っている兄の周りで踊る。
「兄の健康を祈る儀式」ということにすれば親の邪魔も入らず、病身の兄をイラつかせることができる。
自衛策3:兄が1ヶ月かけてようやく半分ほど形にした1000ピースのパズルを保管している部屋に、テンションの上がりきった犬を放つ。
友達が来ている時など勢いに任せてやるとよい。後で復讐されるだろうがかまうものか、パズルを踏み散らかされ叫びながら犬を追いかける兄。この素晴らしい光景を見ることができるのだったら、"妹"は多少のリスクはいとわない。
このように、兄と妹は互いを”兄だ””妹だ”と認識したその日から、365日醜い争いを繰り広げる。その悪夢は兄が家を出るまで続くのだ。「そうは言ってもいざとなったらかばってくれたりしたことあるんじゃない?」と言うあなたにはのん気者。一緒にバスケをやっていて隣家の窓を割ってしまった時、いの一番に逃げ出したのは何を隠そう家の兄だ。(謝りに行ったあと、家に帰ったらファミコンやってた)
ご理解いただけただろうか。
兄妹とは憎み合う生き物。同情されこそすれ決して羨ましがられるようなものではないのだ。甘い幻想は捨て、世の”妹”に労をねぎらう気持ちで接しよう。
もちろん世界は広い、一人くらいは漫画のような優しい”兄”がどこかに存在するかもしれない。もしあなたのそばに”兄”がいて、その中身が善良かそうでないかを判別したいと思うなら、さりげなく尋ねてみて欲しい。
「パロスペシャルはかけたことあるか?」と