だからって終わってるわけじゃない

・・からツライのかもしんないけど

兄の願望

 

録画したプロジェクトランウェイを見ていたら

インターフォンが鳴って、私は何とはなしに出て行った。

 

玄関を開けると

 

宅配便の爽やかお兄さん

大きな箱を抱えている

 

「あっ、どもー」

 

ハンコを取り出す手が震えた。

何故なら宅配便のお兄さんが抱えていたのは、顔面専用の日焼けマシンだったからだ

 

・・日焼けした外国の女性の顔と電熱器のような物の写真がでかでかとのっている。

 

(私じゃない!これを注文したのは私じゃないんだ!!)

 

言い訳したい気持ちでいっぱいだった。

 

 

兄が色が白いのを気にしていたのは知っていたが

まさかプライベートマシンを買うほどだとは思わなかった。

 

聞けば

 

スキー場でもゴルフ場でも帽子なしで日を浴び続けているらしい。

なのにいっこうに黒くならず、「モヤシ男」と母にからかわれていた。

今更なんでと笑うこともできたが

 

 

妹の情け

 

「加減がわからなくなって、松崎し〇るみたいになるのだけはやめてね」

 

と釘だけ刺して

母には内緒にしておいてあげた。

 

それから兄は、冬は顔面焼き機で肌を焼き

夏になるとベランダにシートを敷いて全身を焼いているようだった。

 

(DVDを借りるため兄の部屋に忍び込んだ際

窓のそばにシートと日焼けオイルがあったのを見逃さなかった。)

 

ある日、洗濯物をどこに干そうか迷っていると

兄が執拗に「早く決めろ」と言ってくる

そんなこと気にしたことなんてなかったのに

 

(さては、日焼け・・)

 

ピンときた私は庭に干すとうそぶくと

犬を連れ階段を上った。

 

ベランダで寝転がる兄に、ふざけた犬がかかっていったら

さぞかしおもしろい光景になるだろう。

 

そっと部屋の扉を開く

 

「うっ!」

 

窓の向こうに

オイルを塗りたくった兄がパンイチで横たわっている。

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私はそっと扉を閉じた。

 

そしてその足で居間に行き、見たものを母に詳細に語った。

 

「知ってる」

 

母も知らないふりをしていたらしい。

兄の願望ダダ洩れ