だからって終わってるわけじゃない

・・からツライのかもしんないけど

京男おいでやす 2

続き

 

 

 

 

田舎の人間には終電を気にするという概念がない。

 

 

 

 

電車やバスがそこら中走っている都会とは違って、田舎は車社会だ。飲みに行くなら誰かが飲むのを諦めて運転手役を引き受けるか、運転代行を頼むだけである。

 

というわけで電車がなくなる時間になってしまった。

小沢さんの案内で駅まで走る。私達が乗る電車の改札まで送ってくれた。

 

紳士な態度に女性陣の中で彼の株は急上昇。

 

後日、ブログにその日のことを書くと独身同士ということもあり小沢さんと私が恋に落ちたのではないかというコメントも寄せられた。否定したが・・落ちかけていたことは確かだった。リンクを貼ったため彼のブログの来訪者数も倍増したらい。小沢さんが喜んでくれて私も嬉しかった。

 

しかし小沢さんと再会して彼の印象は180度変わることとなる。

 

「今度は私たちの地元に来て下さい。案内しますよ~」

 

別れ際、社交辞令で言った言葉がすぐに現実になった。小沢さんが仕事の休みを利用してわざわざ訪ねて来るという。何もない田舎だと知らせるが構わないというので迎えることにした。

 

 

 

小沢さん到着。

 

 

 

休日の駅前は混雑していて車を止めておけない。ロータリーで待っているようお願いしたのだが、彼はいない。焦って探すと

 

 

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少し離れた広場の真ん中で、柱にもたれ物憂げに空を見上げてた。

 

 

 

ラクションを鳴らし呼びよせる。

 

 

挨拶もそこそこに急いで車を出した。

前回のメンバーでご飯を食べる話だったが、聞くと小沢さんは宿もとっておらず食事のほかは無計画できたらしい。驚いたが男性の一人旅なんてそんなものかなと、その時は簡単に考えていた。

 

夜、私は友達のアパートに泊まることになっている。小沢さんは私の友達のアパートの隅に寝てもいいと言った。

 

 

 

 

(いいとかじゃなくこっちが嫌なんだけど)

 

 

 

いくら慣れたとはいえほぼ初対面の男性だ。風呂に入ったりメークを落としたりする所を見られたくはない。友達だって一人暮らしの部屋に数時間過ごしただけの男性を泊めるのは抵抗があるだろう。

 

急きょビジネスホテルを探し、強引にホテルの前で彼を下ろした。

 

(女子の部屋に泊まりたがるって、なんなんだろ。しかも直接仲良くなったわけじゃない私の友達の部屋・・)

 

この辺りから小沢さんに対し不信感が芽生え始める。

 

しかし、わざわざ遠くから尋ねて来てくれたのだ京都での恩もある。今日は楽しんでもらいたい。 

 

予約しておいた居酒屋に移動。あらかじめ用意しておいたパーティーグッズで場を盛り上げる。友達ものりのりでお酒がすすんでいた。

 

店が混み合ってきたので会計を済ませ店を出る。

 

道を渡ろうとすると酔った友達がふらりふらりと離れて行った。車がくる。慌てて二人の腕を掴み駆け出す私

 

「小沢さんも早く!」

 

振り返ったら彼、間近にせまるヘッドライトに軽く人差し指を立てゆうゆうと歩いて来るではないか。こっこれが都会人の余裕・・

 

 

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(バカでねえの)

 

 

 

 

 

田舎の幹線道路、相手は普通のスピードを出しているし横断歩道もない。気の荒いドライバーだったらスピードを上げて威嚇してきてもおかしくない場面だ。さらに運転者がヤンキーだったら車を急停車させてからんでくる可能性だってある。

 

 

(こっちは酔っ払いを抱え必死だっつーのに、何を二枚目気取って危険行動とってくれてんだよ!)

 

 

道を渡り終え笑みを浮かべる小沢さん、ご機嫌な足取りで前を行く。

 

背中に蹴りをいれたかった。

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