だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

火を使わないフランス料理

 

ハルミちゃん家に遊びに行くと

たまにハルミちゃんのお姉ちゃんも加わることがあった。

 

お姉ちゃんのヨシミちゃんは強気なハルミちゃん

とは違い優しい性格だった。それに

 

新しい遊びを考える天才で

 

お母さんのメーク道具を使って

バービーちゃんを夜の女に変身させたり

 

2段ベッドで寝る姉妹を男役の私が訪ねていく

愛人ごっこなど

 

私達には思いつかないような遊びを提供してくれた

 

正直、あまり楽しさはわからなかったが

姉のいない私には年上の二人にかまってもらえる

だけで嬉しかった

 

「今日はフランス料理ごっこしよう」

 

ヨシミちゃんがまた思いついたらしい

私達は喜んで提案にのった

 

設定は私が男で、彼女役のハルミちゃんとの

デートにレストランへ行くというもの

ヨシミちゃんはシェフ役である

 

「料理するの?」

 

「でも、お母さんいないし火使うのは危ないよね」

 

「任せて」

 

シェフが台所でガタガタやっている間

私とハルミちゃんは首にネクタイを巻きつけたり

胸にティッシュをいれたり入念におめかしをした

 

ヨシミちゃんの合図でお芝居が始まる

私は男の声を作って言った

 

「今日は特別だからね」

 

「え~楽しみぃ」

 

ハルミちゃんと腕を組んで居間に入っていくと

 

テーブルにナイフとフォークが並んでいる

 

「ステキなところねぇ」

 

「ワインでも飲もうか」

 

ワイングラスにコーラを注いで乾杯する

ヨシミちゃんがお皿を持って現れた

 

「本日のメインディッシュでございます」

 

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「わー・・」

 

火を使わず

 

という条件をクリアしたところは

さすがだが・・

 

妹のハルミちゃんでさえひいている

 

「どうぞ」

 

ヨシミちゃんは一流シェフの笑みをたたえつつ

私達が食べるのを待っている

 

(・・こんなん食えないよ)

 

幸い皿は1つ、ここはハルミちゃん

にひきとってもらおう

 

「キミから食べ・・」

 

「あっ私ダイエットしてるんだったわ

あなた全部食べてくださっていいわよ」

 

(なにぃ?!)

 

先手を打たれた

 

ワンプレートに生卵と梅干し、見れば見るほどグロテスクだが

 

せっかくヨシミちゃんが作ってくれたのだ

一口も食べないのは悪いだろう

 

「・・いただきます」

 

渋々ナイフとフォークを取る

いきなり生卵にいく勇気はなかったので

 

横の梅干しを食べた

 

「あまっ」

 

「そちらはフランス産の梅干しに砂糖を

まぶした一品です」

 

(フランス産の梅干しってなに?!

なんで砂糖まぶしちゃうかな!!)

 

結局、卵もすすることになるだが

 

お腹の中でコーラと梅干しと生卵が

同居していて平気なわけもなく

 

私は用事があるとかなんとか理由をつけて

家に帰り、夕方まで寝込んだ

 

(恐るべきヨシミちゃんの発想力)

 

しかし、ヨシミちゃんの本当の恐ろしさはこんなものではないことを、後々身をもって知ることになる

  

 

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