だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

ハローマイフレンド 1

高校の頃、私は1人旅に憧れており密かに実行に移そうと計画していた。

それを幼馴染に何気なく話したところ、彼女はその計画をすっかり気に入ってしま

 

 

「一緒に行く」

 

 

と言い出す。幼馴染の両親は大らかな人で大抵のことは許してくれたが、女の子の二人旅にはさすがに危険と難色を示した。私も大人に従順な子供であったから「ダメ」と言われればすぐに諦める。

 

(1人で行くまでだ)

 

と思っていた。しかし、幼馴染は言い出したらきかない。自分の両親と私に話をさせ、なんとか了承させようと画策。ついには私の一人旅を二人旅という形で実現してしまう。

 

旅は電車を乗り継ぎ海を目指す2泊3日の旅だった。

 

1日目は温泉町の民宿、2日目は海辺のキャンプ場に泊る。道中は電車の座席をめぐりケンカばかりしていた。観光することもなく、ただただ電車に揺られ1日目の宿につく。

 

 

山あいの温泉町。

 

 

温泉があるなら町も賑わっているだろうと勝手なイメージでそこを選んだが、温泉しかないヘンピな場所だった。宿は年老いた夫婦がこじんまりと経営していて、私達をあたたく迎えてくれた。

 

人見知りの私とは違い、幼馴染は夫婦とすぐに仲良くなった。ご飯を3杯もお代わりし二人を喜ばせたが、後でお腹を壊し赤玉をもらっていた。

 

翌日、部屋でくつろいでいるとおじさんが領収書をもってやってきた。電車の時間まで余裕があることを告げると、駅で待っているといいと言う。

 

 

 

「なんか、早く帰れって言われてるみたいでイヤだったね」

 

 

 

宿を出て文句をたれる私達、チェックアウトの時間が存在することを知らなかった。不躾だったのは自分達の方だと知るのは家に帰ってからである。

 

電車に乗って海を目指す。

 

花火大会の日程に合わせたため、その夜は海に浮かぶ光の花をみながらゆっくり過ごせるはずだった。電車が海に近づくにつれ雲が増え、風が強くなっていく。

 

地図でみた限りキャンプ場は海のすぐそばにあるように見えたが、行ってみると予想を上回る隣接ぶり。浜辺だった。

 

私が予約したのはバンガローと呼ぶには頼りない掘っ立て小屋で、電気ももちろん通ってない。窓はなく海に向かう壁一面がパカッと開きつっかえ棒で支える仕組みになっていた。そこを閉めると中は漆黒の闇に包まれる。

 

試しに家の神棚から拝借してきたロウソクをつけてみたが、お互いの顔を判別するのもやっとだった。ロウソクが倒れたら危険なので夜は真っ暗な中で過ごすしかない。隣には家族連れ、窓も電気もあるしっかりした作りのプレハブに泊まっていた。

 

スクール水着に着替え海で泳ぐ。すぐに日が暮れた。周りがバーベキューしている中、パンで簡単に夕食を済ませ花火が上がるのをじっと待つ。

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 しかしいつまでも上がらない。管理者のおじさんに聞いたら台風のせいで延期になったと知らされた。

 

体が冷えた私達はつっかえ棒をはずし小屋で横になる。天井も見えない真っ暗闇、板張りの壁に風がビュービュー吹き付けていた。幼馴染が歌い出す。

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