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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

カーテンの向こう側 vol.1

大人向け

成人向けビデオを借りるにあたり、やましい気持ちにならなくてはならない理由がわからない。

 

こちとらいい大人である。きちんと年会費も払っているし延滞しているわけでもない。なのに何故、こそこそしなくてはならないのか?誰に遠慮がいるのだろう。

 

しかし、いざビデオ屋に入ると人気の新作を一通り見て、アクションからコメディの棚をぶらつく、カモフラージュ用に数本手に取り、旧作映画の辺りを流し見て、あたかも偶然そこに辿り着いたかのように、AVコーナーのあるカーテン付近にいたりする。

 

この心臓の高鳴りよ

 

カーテンをめくった瞬間、脂ぎった男性が一斉にコチラを振り向いたらどうしよう。両手いっぱいにDVDケースを抱えた男性と、鉢合わせになったら気まずいな。などと思っていると、店員が来る。慌てて近くにあったプロレスのDVDを手に取り、全く興味がないのに「新作かぁ」などと独り言、(7泊だったら借りたのに)というニュアンスすら漂わせる役者ぶりだ。横目でカーテンをめくるタイミングをはかっていると、店員は移動するどころか、すぐ横で新人に指導をしだす。

 

「この女、さてはAVコーナーに入りたがってるな」

 

「プロレスに興味あるふりなんかして、見え見えなんだよ」

 

聞こえるはずのない店員たちの心の声が聞こえてくる。するとこちらも逆に「クソッ、ここで逃げたら負けだ」と意地になり、もはやプロレスファンの熱心さのそれで、いくつものDVDを見比べるのだ。

 

思えば先日見かけた、平成の侍も堂々としていたようでありながら内心は「よしっ今日はAV借りるぞ!」と勢いをつけて入ってきたのかもしれない。成人向けビデオに付きまとう如何わしいイメージ、それを振り切るためにあえて、侍を演じていたのではないだろうか。言わば”やましさ”への反作用である。

  

我々がこのようなことをせずにはいられない理由を考える。第一にあげられるのは、置いてある場所であろう。

 

ハリウッド映画にも性的描写が原因でR指定されている作品は多い。ブリジットジョーンズの日記がR15と知った時は、どのシーンが規定にひっかかるのか友達と激論を交わしたものだ。(レニーゼルウィガーの尻が画面いっぱいに映るシーンだと友達は言い張っていた。)不思議なのは、それらを借りる際にはなんら抵抗を感じないという点だ。ブリジットジョーンズの日記もセックスアンドザシティ2もR15指定を受けていながら他の作品同様、恋愛コメディの棚に収まっている。例え偶然、元同僚が来て声を掛けられたとしても慌てることはない。

 

「私この女優好きなんです」

 

と言えばR指定に気づかないふり、もしくは知っていても女優が目当てで借りるのだと納得させられるのだ。 

 

第二にあげられるのは、通常の棚にあるR指定の作品はエロがらみだけではないという点だ。規定の対象には暴力的な描写や残酷なシーンなども含まれており、R指定のシールが貼ってあったとしても、どんな内容で指定をうけているかまではわからない。カウンターで店員に見られたとして「私、残酷な話に目がないんです」という顔をしていれば切り抜けられる。

 

そして第三の要因は、AVコーナーの雰囲気である。過激なパッケージやタイトルが青少年の目に触れてはよろしくないということなのか、大体が店の奥の角、小部屋のように存在し、入口は黒いカーテンで塞がれている。それだけでも充分心理的ハードルが高いというのに、ご丁寧に”18歳未満は立入り禁止”など注意書きがあるのだ。私のような者が一人でカーテンの向こうに行くのには、男性がランジェリー店で、自分用の下着を物色するのと同等の勇気が必要である。

 
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