だからって終わってるわけじゃない

・・からツライのかもしんないけど

アニサキスハル9 ープライドー

 

父が急逝して数ヶ月後

今度はヒメちゃんが亡くなった

  

「ヒメちゃん、お父さんにくっついてっちゃったんだね」

 

母が言う。

 

ここ数年、ヒメちゃんは父の相棒として

毎朝2キロ程ウォーキングに付き合っていた。

 

朝日の中、黙々と歩く二人の姿が目に浮かぶ

 

「お父さんの1周忌ってすぐじゃん

でも斎場の人、もっと早くもできるっていって

たでしょ?天国行くまでけっこうかかるから

1年待つんだろうにこっちの都合で早めたり

していいわけ?途中だったら?引き返してる

間にヒメちゃんに会って"あれ、お前も?!"

ってビックリするんじゃない」

 

「うーん、どうだろう」

 

「てゆうか二人ともまだそこらうろちょろ

してんじゃないかな」

 

「話聞いてるかもね」

 

「1回でいいから出てきてほしいよ。どうしても会って言いたいことがあるのに。1回でいいからさ」

 

「無理だろ」

 

横で聞いてた兄が割って入る 

 

私達だって本気で言ってるわけじゃない

ただ話さずにはいられないのだ。

 

この前まで「長生きするぞ~」って元気

に歩いてた人がぱっといなくなる。命が

永遠でないことぐらいわかっていたけど、

死んだら消えておしまいだなんて

 

納得できるものじゃない。

 

私だけならまだしも長年連れ添った夫を

失ったばかりの母に・・わざわざ言う

必要があるのだろうか

 

「なに?」

 

「・・別に」

 

 

 

 

 

それから2年が経過して

 

 

「おいで、リン」

 

ハルには妹ができていた。

フレンチブルドックのリンである

 

リンは怪力の暴れん坊で

物は壊す・ケージは破るとかなりの

問題児だったが

 

手のかかる子ほどかわいい

 

とはよくいったもの

 

「お母さーん、リンがまたウン◯で文字書いた~!!」

 

「こらリン!お隣からもらったカボチャ勝手にかじるな!」

 

何か起きるたび家に笑いが広がり、

外でもリンの武勇伝は鉄板ネタと

して家族に貢献する。

 

一方、末っ子の地位を脅かされる側

になったハル。ヒメちゃんの時みたい

にすねてしまうかと思いきや・・

  

 

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心配無用だった 

 

(お前にプライドはないのか?!)