だからって終わってるわけじゃない

・・からツライのかもしんないけど

アニサキスハル20 ―居場所―

 

考えてみると「幽霊」という概念には粗がある

 

江戸や室町時代の霊の話はよく聞くのに弥生時代の霊が現れないのは変だし

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化け猫がいるのに化け犬がいないのも不公平だ。

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死んだ者がすべて幽霊になるとして 

 

この世に未練のある数割の魂が地上を漂っているとしたら

いまごろ地表は過密地帯

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考えただけで騒々しいではないか

 

だけど

 

どんな形であれ会いたいって思ってしまう

 

ハルのうるさいいびきを聞きたいし

興奮したときちょっとだけ立つ背中の毛をなでていたい

 

きっと

  

こんなことを言ったら兄に笑われるだろう

父が死んだ直後でさえ

 

死んだ者と話すことはできない

 

と断言した人だから

 

 

兄は忘れてしまったのだろうか

 

 

あの、いちいち劇的な表情

嬉しい時、くいと動かす短い尻尾

白目をむいて仰向けに寝る姿

返事するように鼻を「ゴッ」と鳴らすくせ

 

  

ハル、ハルはどこにいる?

時々押し寄せる感情に飲み込まれそうになる

 

(・・映画でも見て気を紛らわそう) 

 

兄の部屋をノックした。またヘッドフォンで音楽を聴いているのだろうか返事がない。

 

「兄ちゃーん、ビッグフィッシュのDVD貸し・・」

 

 

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いた。 

 

 

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会えなくなっても触ることができなくなっても

消えたわけじゃない

 

 

消えてたまるか、ってねぇハル?

 

 

どこからか「ゴッ」と鼻を鳴らす音が聞こえた気がした

 

 

アニサキスハル 

おわり