だからって終わってるわけじゃない

・・からツライのかもしんないけど

アニサキスハル17 ―あきらめない―

ハルは社交的な犬だったが、いつも歓迎されるわけじゃない

 

散歩中

 

出会ったワンコにご挨拶しようと、耳を倒し頭を下げて近寄っていくが必ず「ギャワ」と怒られる。向こうにある程度臭いを嗅がせてからアクションを起こそうとしても「ギャワ」

 

低い鼻で臭いを嗅ぎに行くと自然、顔を近づけることになるのだが、大きな瞳で正面から見据えられるもんだから相手はイラっとするらしい。

 

ペットショップなどに行っても

 

さっきまで愛らしい姿で遊んでいた子犬たちが、ハルが顔を見せただけで半狂乱になって怒り出す(他の犬はスルー)

 f:id:kano8:20181107201959j:plain

怒る子犬たちに戸惑うハル、泣いた赤鬼みたいでちょっと不憫だ

 

それでもハルはあきらめない

 

犬は遊びの誘いをする時フセの姿勢でお尻を高く上げ、前足をならす

 

出会う犬出会う犬にタタンッ、タタンッとやってきたf:id:kano8:20181107215854j:plain

のってくれたのは旅先で出会ったパグ兄弟と若いラブラドールだけだったが 

ハルのあきらめない性格は人としても見習うべきところがある

 

そんなことを思いながら眠気に耐えていると

 

朝方、ふらふらとハルが近づいてきて

番をしていた私に体をくっつけた。

 

(やっと落ち着いたかな)

 

と思った矢先、異変にきづく。

 

 

 

「息してない!!」

 

 

 

仮眠していた兄が飛び起きた。

 

「さっきまで、起きてて、いま、私のそばきて寝たとこだったのに、急に」

 

説明する私の横で兄がハルを抱える

 

「ハル、ハル」

 

体をゆするもすでに力はなく

兄の腕の中でぐにゃりと曲がった。

 

 

 

「死んじゃった、死ぬと思ってなかったのに、死ぬと思って・・」

 

取り乱す私の横で、兄はハルを呼び続けた

 

 

そして

 

 

 

 

 

ハルの鼻を口に含んで息を吹き込む

 

 2度,3度とくり返す

 

 「ゴッ」

 

ハルは咳込むように息をして、また動かなくなった。

 

人工呼吸を続ける兄を母がとめた。

 

「もう逝かせてあげよう」

 

あたりが明るくなるにつれ、ハルの体は冷たく固くなっていった。

だけど耳だけは生きている時と同じくやわらかいまま。

 

父が死んだとき、無意識でハムハムしてた耳を

f:id:kano8:20180919150737j:plain

 

 

兄はずっと触っていた。

 

f:id:kano8:20181108101405j:plain

 

 

朝、ハルの亡骸を箱に入れる。

 

知り合いにペットの火葬場を教えてもらい

家にきてもらった。

 

数時間後、ハルは小さな骨壺に入って戻ってくる。