だからって終わってるわけじゃない

・・からツライのかもしんないけど

アニサキスハル15 ―キョキョ鳴き―

 

ハルが入院した。

 

朝、元気がなかったため

病院に連れて行ったところ

即入院と告げられたのだ。

 

「今思えばあのうれションも

体の変調からきてたのかな」

 

「あの時すぐ診せてれば・・」

 

 

「そんなこと言ったって仕方ないだろ!」

 

 

そうだ、後悔したってハルが良くなる

わけじゃない

 

しかし

 

家で甘やかし放題のハルが狭いケージに

何日も入っていられるだろうか

 

兄はお見舞いに行こうとしたが

迎えに来てくれたとぬか喜びさせるのは

かえってかわいそうと私と母で説得した。

 

数日後、検査の結果だけ聞きに行く

先生の表情は暗い

 

「すぐにでも手術をしたいところですがキョキョ体力がおちてますし年齢的にみても術後 キョキョ生存の可能性は50%キョキョキョキョキョキョあるかないか・・」

 

「・・そうですか」

 

「手術中にキョキョキョキョ死んでしまう可能性もキョキョないとはいえません。」

 

「あれ、ウチのですか?」

 

「ハルちゃん、ケージがイヤみたいで朝からずっと」

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 深刻な話の後ろに響くハルのキョキョ鳴き

 

準備のため手術や治療にかかる費用の概算をだしてもらった

 

人間のように健康保険制度のない動物は

ちょっと医者にかかるだけで、5・6千円は

軽くとぶ

 

ましてや入院・手術となれば

うん十万

 

身も蓋もない言い方をしてしまえば、大金かけて手術したところで生きられる保証はないということ。

 

直接的な表現はさけていたが、手術をせずに連れ帰るという選択肢もあると獣医さんはいっていた。

 

 

 

「やって下さい。」 

 

 

 

兄の決断は早かった。

 

思い出していたのかもしれない。いきなり倒れて緊急手術を余儀なくされた父、意識はなく機械で命をつないでいた。それでも、ほんの少しでも可能性があるなら賭けてみたい。

 

「医者ってのは悪めに言うもんだ。万が一のとき、言い訳がたつからな。」

 

 「手術して治った子、たくさんいるんでしょ」

 

ネットで検索し、回復したケースをみつけてはしきりと言い合っていた。

  

 

生きてほしいと願うのは

 

 

置いて行かれそうな人間のエゴなのかもしれない。

いくら病状を理解したところで、意識のない人・言葉を持たない動物がどんな気持ちでどれほどの痛みに耐えているかは知ることができないのだから。 

 

葛藤を打ち消すかのように

兄はやたら明るく振る舞っていた