読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

File No.4 となりのナナミちゃん

新婚当初、住んでいたアパートの隣に3人家族が住んでいた。30代らしき夫婦に娘が一人。娘はナナミちゃんといって天真爛漫で誰にでも明るく挨拶してくれる一見大人が好む子供像そのものであったが

 

私にとってはなかなか謎の人物であった。

 

ある夕暮れ時、外から泣きながら歩いてくるナナミちゃんの声が聞こえてきた、窓を開けてもどこにいるかわからない。しかしなにやら訴えているようである。耳を澄ましてみると

 

「ピンポン押しすぎてごめんなさーい」

 

と言っていた。お母さんと回覧板を届けに来たナナミちゃんが「(インターフォンのチャイム)押していいですか?」と聞いてきたのを思い出す。2回鳴らしたところでお母さんに止められていたが、今回もおそらくそのようなことがあったのだろうと私は推測した。

 

近所の友達の家に行き楽しく遊んだナナミちゃん、帰る時にふざけてチャイムを押したらみんなが笑うもんだから何度も何度も押したのだろう。そして最後には「押しすぎ」と注意をうけたのかもしれない。ナナミちゃんは泣きながらも無事家に帰ったようであった。

 

別の日、買い物をしすぎた私が駐車場で荷物を降ろしていると目の前にナナミちゃんが立っていた。挨拶するとニコニコ笑いながら近づいてくる。

 

「運びましょうか?」

 

アスファルトに置いた段ボールを持ち上げるふりをしてみせる。「重いからいいよ」と断るがナナミちゃんは引き下がらない。仕方がないので反対側に回ってもらい二人で1つの段ボールを持つことにした。予想外の重さに「えっ?」と戸惑うナナミちゃん。

 

私も反対の手に買い物袋をぶら下げていたので段ボールを引き取ることもできず、二人でふぅふぅ言いながら階段を上った。ようやく玄関の前にたどり着き、お礼を言って別れた

 

つもりが、ナナミちゃんは開いたドアの間から我が家の玄関をのぞきこんでいた。そして「キレイナウチデスネー」ど直球のお世辞を言ってくる。「きれいじゃないよ、ってかあんまり見ないで」初めて男性を家に呼んだ女子大生のように慌てる私。

 

速攻で荷物を入れて扉を閉めようとするとナナミちゃんに止められた。「ちょっと待ってて」大人しく待っていると戻ったナナミちゃんに袋を差し出される。「どーぞ」

 

はっか飴もらった。

 

(何故はっか?渋くね?)と思いながらも、荷物を運んでもらった上に飴までもらって申し訳ない気持ちになる。しかしあいにく買った物には大根やひき肉しか入っておらず、子供が喜びそうな物はない。

 

つい「今度お母さんと遊びにおいで、お菓子買っておくから」と言ってしまう。言った瞬間後悔した。ナナミちゃんのことだからお母さんを引きずってでも翌日に現れるに違いないと思ったのだ。しかしナナミちゃんは

 

 

 

 

 

 

 

 

「それはどうかな」

 

 

 

 

とニヒルな笑みを残し去って行った。大人を翻弄する幼稚園児ナナミちゃん、将来どんな女性になるのか気になってしかたがない。

  ↓更新の励みになります↓