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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

お嬢様修行

小さい頃、小公女セーラをよく見ていた。セーラはお金持ちのお嬢様で、父親が仕事で海外に行くため名門の寄宿学校に入れられる。桁外れのお金持ちの令嬢でありながら、優しくて誰にでも分け隔てなく接するセーラは、すぐに人気者になる。しかし、順調な学校生活は長く続かない、父の消息不明のニュースがセーラを襲うのだ。無一文になってしまったセーラ、使用人として働きながら屋根裏部屋で暮らすことになる。

 

学校の帰りによく小公女セーラごっこをしたものだ。じゃんけんで配役を決める。負けた子は訛りの強いベッキー役をやらければならなかったので、みんな必死だった。

私がセーラを好きだったのは、どんなに虐げられても上品さを失わなかった点だ。言葉使いは丁寧で、スープを掬う仕草1つとっても美しい。小さな頃から身に着いた気品は、そうそう消すことができないのだ。私は思った。

 

 

 

 

まだ間に合うんじゃね?

 

 

 

 

ごく一般的な核家族に生まれた私だが、今から始めればそれが習慣となり、大人になった頃には立派なレディーに変身をとげているはず。すぐに始めることにした。歩く時はつま先立ち、両親を「お父さん」「お母さん」と呼ぶのををやめ、「お父様」「お母様」と呼ぶ。さらに、お嬢様度を高めるために高い声を使うことにする。しゃべるオウムみたいに不自然だが、今から習慣づければ自分も周りも慣れるはず。私はウラ声で平安貴族のように「オトウサマ~、オカアサマ~」と呼んだ。その様子を”オニイサマ”は、干からびたミミズを見るような目で見ていた。

 

「カノ、醤油とって」

「はいよっ・・じゃなかった。ドウゾ、オトウサマ~」

「カノ、ご飯おかわり」

「カシコマリマシタ、オトウサマ~」

「カノ・・もうやめないかそれ」

「えっ・・・・」

「やっぱり、”お父さん”でいいよ」

「ワカリマシタ、オトウサン~」

「声もな!」

父が先に音を上げた。私がいま普通なのは父のお陰である。

 
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