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だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

おもしろい話 3

恋愛

 続き

 

 

(まぁよくて車中泊だけれど。・・なんでどうして初対面の人と車の中で二人きり夜を明かさなければならないの?!)

 

景色同様、頭がホワイトアウトしそうな私。お見合い相手もこのままではまずいと判断したのか車を止め、どこかに電話をし始めた。

 

「いま、レッカー呼びましたから」

 

「あぁよかった、これで安心ですね」

 

「時間かかりそうなので、先に姉ちゃんの車で帰って下さい。
 いまこっちに向かってます」

 

「はい(・・・姉ちゃん?!)

 

 

 

 

 

「何かごめんなさいね~」

 

「いえいえ、お姉さんこそお忙しいところすいません」

 

仕事帰りだったようで、お見合い相手のお姉さんは小さなバンで現れた。

(こんな日は高級外車より、バンだよね。)色々あったけど、ようやく家に帰れる。ほっと一息ついていると

 

「あれ、車線てこっちでいいの?」

 

「ふぇ?!わぁああ逆です逆!!」

 

慌ててハンドルをきる彼女、さすがのスタッドレスタイヤも急ハンドルでは歯が立たず、車体が歩道へ向けスリップ。焦った彼女はハンドルを反対にきりまたスリップ。しばらく、女二人の悲鳴は続いた。

 

「あははっごめんね~私、雪道なれてなくて」

 

ようやく態勢を立て直し、運転席で陽気に笑うお見合い相手のお姉さん。

 

(もしや天然?)

 

という疑惑がよぎるものの、せめて助手席の私は冷静でなければと姿勢を正す。

 

「あの路面が凍ってるので、急ハンドル急ブレーキは危険かと」

 

「だよね~、エンブレ?」

 

「うんそうですね、エンジンブレーキでお願いします」

 

了解!と彼女、ハンドブレーキに手を伸ばす。

 

「うわぁああ!それはダメ」

 

 

 

 

 

 

(絶っ対天然だ。) 

  

真っ白な駐車場にこんもりとした雪の丘、私の車が埋まっていた。発掘作業をし、エンジンをかける。

 

「じゃあね~」

 

クラクションを鳴らすお見合い相手のお姉さん。笑顔で手を振る私。

 

(・・どうしよう、ものすごい楽しかった)

 

お見合い相手のお姉さんとの雪道ドライブは、スリルとサスペンスに満ちていて時々天然をかますお姉さんにツッコミをいれては二人で笑い、車がスリップしては、二人で悲鳴を上げた。ぶっちゃけお見合い相手といた数時間より、何倍も笑ったし逆に体力ゲージが回復したくらいだ。

 

(あのお義姉さんと一緒だったら・・結婚生活楽しいかも。)

 

本末転倒な考えが、結婚に対し前向きに作用する。

後日、お見合い相手から連絡がきて私たちは2度目のデートをすることになった。

 

場所はおしゃれなレストラン。間接照明に、黒いボウタイをしたウェイター、ジャズが静かに流れており、こんなお店に初めてきた私は緊張していた。お見合い相手の彼が頭を下げる。

 

「この前は、帰りあんなことになってしまってすみませんでした」

 

「いえ、楽しかったです。」

 

「えっ?」

 

「お姉さんと話して、たくさん笑いました」

 

「そうなんですか、何も言ってなかったな」

 

(そうなの?楽しかったのは私だけ?)

 

寂しい気持ちになったが、こんなお店では、お姉さんとの珍道中を臨場感たっぷりにお伝えすることは憚られる。私が黙っていると彼がせきを切ったように話し出した。

 

「先輩の友達の話なんですけど・・」

 

(先輩の友達?どうしよう、興味ない)

 

「はとこの彼女が・・」

 

(はとこの彼女?知らねーよ)

 

「〇〇っていう芸能人が・・」

 

(・・つーか誰?!)

 

彼の話は誰それの誰、というまた聞き的要素が強く会話を弾ませようにも食いつく場所が見当たらない。そのうち彼はとんでもないことを言い出す。

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