だからって終わってるわけじゃない

アラフォー、バツイチ、ヒキニート、だからって終わってるわけじゃない・・からツライのかもしんないけど

裏目

 

「顔、黄色くね?」

 

やぶからぼうに兄が言った

 

年も年だし肌がくすみがちの日だってある

私は気にしなかった

 

「なにアンタ黄色い顔して!」

 

母が叫んだ

 

はいはい

 

二人が揃って私に文句をつけるのも

珍しいことではない

 

そのうち収まるだろう

とのん気にかまえていた

 

 

次の日もその次の日も二人の反応は

変わらない、どころか声色に恐怖を帯び始めている

 

そう言われれば

両掌と足の裏も黄ばんでいる

ような気がしないでもない

 

「肝臓だったら大変だよ!病院いってきな!!」

 

病院は嫌いだが入院はもっと嫌いだ

さっそく出かける

 

医師に症状を伝えると

血液を採って検査することに

 

「ダメかぁ、反対の手いいですか?」

 

左腕から注射針を抜きながらナース

がため息をつく

 

脂肪の層が厚いのか血管が細いのか

採血失敗されることもなれっこだ

 

「この辺です」

 

と指で針の目あすを提示する私、大人よ

 

「いだっ」

 

肉の中で針を動かされ涙目になる

 

スチュワーデス物語風間杜夫の罪悪感を

呼び起こすため両手をみせつける片平なぎさ

のように両肘を閉じた状態で座っていると、

診察室に呼ばれた

 

医師は首をかしげている

 

母が指摘したとおり、顔が黄色くなる原因

に肝機能の異常が考えられるのだが

 

検査の結果、異常はみつからなかった

というのだ

 

掌や足の裏が黄ばんでいる割りに

目の下の肉をひっくり返したところが

黄ばんでいないというのも妙、らしい

 

「他に考えられられるのは着色によって

の変色なんですが、なにか黄色い物を

頻繁に食べているとかは、ないですか?」

 

私は笑った

 

そんな卵の色よくするために黄色いエサ

与えられたニワトリじゃあるまいし

 

 

 

 

 

・・あ

 

 

 

「そういえば・・食事が偏りがちなので

野菜ジュースを飲んでます・・その色が

黄色というかオレンジに近かったような・・」

 

「毎日飲んでるんですか?」

 

「それさえ飲んでれば安泰かと思って

下手したら2本いっちゃうときもありました」

 

「・・・・」

 

黙りこむ医師、つとこちらに向き直り

言った

 

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「それ、いったんやめてみましょう」

 

「ハイ」

 

数週間後に治った

 

良かれと思ってやったことが裏目に出る

なんていつものこと

 

と笑う私はいま

 

 

 

味覚がない

  

ただ泣きたくなるの

ただ泣きたくなるの

 

 

火を使わないフランス料理

 

ハルミちゃん家に遊びに行くと

たまにハルミちゃんのお姉ちゃんもまざることがあった。

 

お姉ちゃんのヨシミちゃんは強気なハルミちゃん

とは違い優しい性格だった。それに

 

新しい遊びを考える天才で

 

お母さんのメーク道具を使って

バービーちゃんを夜の女に変身させたり

 

2段ベッドで寝る姉妹を男役の私が訪ねていく

愛人ごっこなど

 

私達には思いつかないような遊びを提供してくれた

 

正直、あまり楽しさはわからなかったが

姉のいない私には年上の二人にかまってもらえる

だけで嬉しかった

 

「今日はフランス料理ごっこしよう」

 

ヨシミちゃんがまた思いついたらしい

私達は喜んで提案にのった

 

設定は私が男で、彼女役のハルミちゃんとの

デートにレストランへ行くというもの

ヨシミちゃんはシェフ役である

 

「料理するの?」

 

「でも、お母さんいないし火使うのは危ないよね」

 

「任せて」

 

シェフが台所でガタガタやっている間

私とハルミちゃんは首にネクタイを巻きつけたり

胸にティッシュをいれたり入念におめかしをした

 

ヨシミちゃんの合図でお芝居が始まる

私は男の声を作って言った

 

「今日は特別だからね」

 

「え~楽しみぃ」

 

ハルミちゃんと腕を組んで居間に入っていくと

 

テーブルにナイフとフォークが並んでいる

 

「ステキなところねぇ」

 

「ワインでも飲もうか」

 

ワイングラスにコーラを注いで乾杯する

ヨシミちゃんがお皿を持って現れた

 

「本日のメインディッシュでございます」

 

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「わー・・」

 

火を使わず

 

という条件をクリアしたところは

さすがだが・・

 

こっそり横を見ると

妹のハルミちゃんでさえ若干ひいている

 

「どうぞ」

 

ヨシミちゃんは一流シェフの笑みをたたえつつ

私達が食べるのを待っていた

 

(・・こんなん食えないよ)

 

幸い皿は1つ、ここはハルミちゃん

にひきとってもらおう

 

「キミから食べ・・」

 

「あっ私ダイエットしてるんだったわ

あなた全部食べてくださっていいわよ」

 

(なにぃ?!)

 

先手を打たれた

 

生卵と梅干し、見れば見るほどグロテスクな組み合わせだが

 

せっかくヨシミちゃんが作ってくれたのだ

一口も食べないのは悪いだろう

 

「・・いただきます」

 

渋々ナイフとフォークを取る

いきなり生卵にいく勇気はなかったので

 

横の梅干しを食べた

 

「あまっ」

 

「そちらはフランス産の梅干しに砂糖を

まぶした一品です」

 

(フランス産の梅干しってなに?!

なんで砂糖まぶしちゃうかな!!)

 

結局、卵もすすることになるだが

 

お腹の中でコーラと梅干しと生卵が

同居していて平気なわけもなく

 

私は用事があるとかなんとか理由をつけて

家に帰り、夕方まで寝込んだ

 

(恐るべきヨシミちゃんの発想力)

 

しかし、ヨシミちゃんの本当の恐ろしさはこんなものではないことを、後々身をもって知ることになる

  

 

ハルミちゃん関連の記事はこちら

アンバボ脳

 

昼間、映画を見ていたら

 

母が横に座る

 

始まってだいぶたっていたので簡単に内容を

説明した。

 

「この人は事故で脊髄を損傷しちゃって車椅子なのね

で、この人は最近介護人として雇われた」

 

「知ってる」

 

なんだ、犬と遊んでると思ってたけど

ちゃんと見てたんだ

 

「これから大会に出るんでしょ」

 

「大会?」

 

トライアスロンの」

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「トラ・・なんで?!」

 

「さっき話してたじゃん」

 

確かにそんなセリフ、ちょろっとあったけど

物語の軸とは関係ないし、第一恋愛映画だよ

トライアスロンとか唐突過ぎでしょ

 

 

 

 

 はっもしや

 

 

”10年たった現在も二人の友情は続いている。

ちなみにこの話はフランスで映画化され大ヒットを記録した”

 

 

的パターンのやつだと思ってる?!

 

 

そういうのあるけど、トライアスロンはまた別の話

だし、そっちは映画化されてなかったし

 

色々ごっちゃになってない?!

 

ツッコミをいれる私をよそに 

母は映画を最後まで見届け

 

 

「なーんだ」

 

と言って去って行った

 

それは間違いなく、登場人物のその後を語るテロップが出る(実話ベースの映画によくある演出)のを待ってたけどでなかったなーんだ、のなーんだだった。

 

私は母の背中に言う

 

「奇跡体験アンビリー〇ボーの見すぎだよ!!」 

 

 

見てた映画↓

 

 

のちに映画化された方↓ 

最強のふたり (字幕版)
 

 

 

わがまま娘 -恐らく史上最年少のマウンティング-

 

「これこれ、私が欲しかったやつ」

 

幼馴染の家、私はテレビを指さしながらミシン事件をボヤいていた。

 

「チラシまで見せたのにさ」

 

「ショックだね」

 

「しかも兄と二人して説教だよ」

 

「え~」

 

意地悪な母と兄に叱られる日々、唯一理解者である父は不在がちときている。

 

シンデレラ

 

ってこんな気分だったんだろうな

と怠け者のところは棚に上げ、勝手に同調していた。

 

「うたちゃんはクリスマス、何貰ったの?」

 

シルバニアファミリーだよ」

 

「かわいい~、いいなぁうたちゃん家のお母さんは優しくて」

 

「そうかな」

 

うたちゃんの両親は明るくノリが良い。

私達が家で騒いでいても怒らないし、たまに一緒に遊んだりして

子供心を理解してくれる人達だった。

 

(うたちゃん家に生まれたかったな)

 

何度思ったかわからない。

 

 

年明け、うたちゃんに呼ばれ遊びに行く。

いつものように居間に入っていくと

驚きの光景が待ち構えていた

 

 

 

「これってこれって」

 

私が欲しかったやつ 

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 「買ってもらっちゃった♪」

 

テーブルの上にピンクのミシンがのっていた

 

なぜうたちゃんが・・買ってもらったって

クリスマスでもない平日に?

クリスマスはクリスマスでシルバニアファミリー

もらってたくせに?!

 

そもそも手芸なんてやりたいそぶりも見せたこと

なかったじゃないなんで・・

 

 

 

そっか

 

 

 

欲しいなんて思ってなかったんだ

私にあの事件を聞かされるまでは

 

確かにことあるごとに張り合って

ケンカしてきた私達だけれど

 

(ここまでするか) 

 

 呆然とする私にうたちゃんが畳みかける。

 

「ごめんね~できるなら私のと交換してあげたいくらいだよできるなら」

 

口では謝りながらも喜悦の色は隠せない。

 

 

別に私の物が横取りされたわけじゃない

うたちゃんのお母さんは優しいから

ねだられてつい買ってあげたくなったのだろう。

うたちゃん、言い出したら聞かないし

 

となんとか心を鎮めようとしているのに

 

「ホントごめん、交換してあげたい気持ちでいっぱいだよ私のミシンと」

 

しつこく謝ってくる

 

「ほんっとうにごめん!」

 

「交換してよ」

 

言ってしまった。

 

「うたちゃんがいいなら今すぐ私のミシンと交換して」

 

「え、勝手にそんなことしたらお母さんに怒られる・・」

 

うたちゃんの声が小さくなっていく。

 

「できないんじゃん」

(する気がないなら最初から言うな)

 

私は玄関へ向かった

 

「どこ行くの?」

 

「帰る」

 

「ダメだよ、来たばっかなのに」

 

いつもとは違う私の迫力に

慌てたウタちゃんが追いかけてきた

かまわず進み続けると今度は私を

追い越し玄関のドアに鍵をかける

 

そして

 

 

両手には私の靴。

 

ぐぬぬっ)

 

幼馴染に靴をとられたシンデレラはお家に帰ることができません

二人のにらみ合いは、うたちゃんのお母さんが

買い物から戻ってくるまで末永く続きましたとさ。 

 

おしまわない

 

 

うたちゃん関連の記事はこちら

 

わがまま娘 ー失われたクリスマスー

 

小5までサンタを信じていた

 

クリスマス前になると欲しい物を書いた紙を神棚に供える。

一番天井に近いからという理由でそこに置いていたのだが、和洋折衷も甚だしい。

それに知らないおっさんが屋根裏から手を伸ばし、リストを持っていくことを想像するとめちゃくちゃ怖い。

 

当時はそういうものだと思っていた。

 

年末になると新聞に挟まってくるチラシは分厚くなり

私は兄と競うようにそれらを広げて、サンタにリクエストするプレゼントを選ぶ。

 夢の時間だった。

 

 

 

クリスマス当日

 

サンタを一目見ようと兄と夜更かししていると、母がやってきて早く寝なさいと言う。

 

「えー」

 

電気の紐をひっぱろうとする兄をとめ、窓の鍵を開けた

 

「なにしてんの?」

 

「サンタさんが入って来られないと困るから」

 

「大丈夫だよ」

 

「せっかく屋根まで登ったのに鍵しまってたら、怒って帰っちゃうかもしんないじゃん。ていうか、どうせ来るなら玄関から上がってもらった方がいいよね。そうだ、玄関の鍵開けなくちゃ!ついでにお茶菓子も・・」

 

「大丈夫っつってんだろ!さっさと寝な!!」

 

純粋だった。周りが冷めていく中、世界中の子供たちの家を一晩で回っていくなんてちょっと変だと感じながらも、まだサンタの存在を信じていられたのは、毎年欲しい物を調べて、こっそりプレゼントを置いてくれた両親の演出に寄与するところが大きい。

 

「あんた、今年はなにがいいの?」

 

小5の冬、母がサンタ演出を放棄した。

 

「え?!」

 

「いまからお兄ちゃんとデパート行くから、ついでに買ってくる。なにが欲しいの?」

 

やっぱり親だったんだ。

という感慨にふける間もなく、私はダッシュする。

 

おもちゃ屋のチラシを持ってきて母に見せた

 

それは当時CMでよくやっていた子供向けのミシンで

実際に布を縫うことができる本格的なヤツだ。

 

見た目もシンプルなのにかわいくて、これで犬の洋服や

自分の手さげ袋なんか作れたら最高だと思った。

 

「これね、ピンクのこれだから」

 

「わかったわかった」

 

母は兄を車にのせさっさと行ってしまった。

 

「ただいま~」

 

数時間後、兄が上機嫌で玄関を開ける

手にはスケートボードを持っていた

バックトゥザフューチャーに影響されてスケボーを選んだらしい。

 

「今度私にも貸してよ」

 

「ヤダね」

 

「いいじゃんケチ~」

 

はしゃいでいると荷物を抱えた母が入って来る。

 

「ほらこれ、アンタの」

 

箱を開けた私は愕然とした

 

「な、なにこれ」

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緑と海老茶のミシン・・側面には見たこともない姫が描かれ、説明書は英語である。

 

「全然違うじゃん!」

 

半泣きで訴える私に母がなんだかんだ言い訳する

要するにこっちの方がちょっとだけ安かったということらしい。

 

「ミシンなんだからいいでしょ」

 

「良くないよ!私はずっとあれが欲しくていたんだから」

 

予想以上の反発ぶりにひるむ母

横で見ていた兄が口を開いた

 

「貰っておいて文句いうなよ!世の中にはプレゼントすらもらえない人だってたくさんいるんだぞ」

 

(こ、こいつ・・)

 

自分は確実に希望の品を手に入れつつ、さらに打ちひしがれた妹を踏み台にしてポイントを稼いでやがる。

 

「そうだよ、アンタはわがまますぎる」

 

正論でねじ伏せられ、そのまま説教タイム

サンタとともにクリスマスの楽しみも失った。

 

ちなみに緑のミシンは下糸がなく、縫ったそばからほつれてくる

まったく子供だましの品だった。

 

ぐぬぬっ)

 

悔しさをかみしめる私だが、その後ピンクのミシンとは意外な形で相まみえることになる。

 

兄のパンティー

 

兄は子供うけがいい。

そしておばさまうけもいい。

 

神経質で外面だけ良いのが

清潔感があり優しいと解釈され

 

好青年に映るのだろう

 

犬好きのハンニバル

(人肉を食わないだけで思考回路は一緒)

と思っている私には

 

私を選ばず兄に近づく人の気がしれない

 

のだが

みんなもれなく兄を選ぶ

 

叔母もその一人だ。

一緒に旅行に行くと必ず、運転席の兄をからかって遊ぶ

 

兄も他人には言わないような憎まれ口を言うので

叔母には特別心を許しているようだ。

 

「オバちゃん乗ってるから車の走りが悪いな」

 

私が同じことを言ったら激怒される

セリフをさらりと言い、笑いあっている

 

そんな二人の絆にヒビが入る事件が起こった。

 

叔母達とドライブに行った帰り

荷物を下ろしていると叔母が私に耳打ちしてきたのだ

 

「アイツ、オンナいるだろ?」

 

「へ?」

 

寝耳に水だった。コミュ障の兄にオンナ?

それこそ”ウケるー”だ。私や母に気取られることなく

彼女を作りデートするなど器用なマネ

兄にできるはずがない

 

ネット上ならまだしも現実で?ないない

  

しかし叔母の瞳には確信が宿っていた。

 

「何でそう思うの?」

 

一応聞いてみる

 

 

 

 

 

「後部座席にパンティー落ちてた」

 

「・・マジかー」

 

数週間前、犬を公園に遊ばせに行ったことを思い出す

家の中は寒くて重ね着をして出たのだが

 

外は意外に暑かった

 

歩いたらもっと暑くなるだろうと車の中で

脱ぎ捨てたのだ

 

腹巻きを

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叔母がパンティーと勘違いしたのはくしゃくしゃになった私の腹巻きだった

 

(拾うの忘れてたよね)

 

叔母の中で兄の株が急落したのは言うまでもない 

 

 

兄の願望

 

録画したプロジェクトランウェイを見ていたら

インターフォンが鳴って、私は何とはなしに出て行った。

 

玄関を開けると

 

宅配便の爽やかお兄さん

大きな箱を抱えている

 

「あっ、どもー」

 

ハンコを取り出す手が震えた。

何故なら宅配便のお兄さんが抱えていたのは、顔面専用の日焼けマシンだったからだ

 

・・日焼けした外国の女性の顔と電熱器のような物の写真がでかでかとのっている。

 

(私じゃない!これを注文したのは私じゃないんだ!!)

 

言い訳したい気持ちでいっぱいだった。

 

 

兄が色が白いのを気にしていたのは知っていたが

まさかプライベートマシンを買うほどだとは思わなかった。

 

聞けば

 

スキー場でもゴルフ場でも帽子なしで日を浴び続けているらしい。

なのにいっこうに黒くならず、「モヤシ男」と母にからかわれていた。

今更なんでと笑うこともできたが

 

 

妹の情け

 

「加減がわからなくなって、松崎し〇るみたいになるのだけはやめてね」

 

と釘だけ刺して

母には内緒にしておいてあげた。

 

それから兄は、冬は顔面焼き機で肌を焼き

夏になるとベランダにシートを敷いて全身を焼いているようだった。

 

(DVDを借りるため兄の部屋に忍び込んだ際

窓のそばにシートと日焼けオイルがあったのを見逃さなかった。)

 

ある日、洗濯物をどこに干そうか迷っていると

兄が執拗に「早く決めろ」と言ってくる

そんなこと気にしたことなんてなかったのに

 

(さては、日焼け・・)

 

ピンときた私は庭に干すとうそぶくと

犬を連れ階段を上った。

 

ベランダで寝転がる兄に、ふざけた犬がかかっていったら

さぞかしおもしろい光景になるだろう。

 

そっと部屋の扉を開く

 

「うっ!」

 

窓の向こうに

オイルを塗りたくった兄がパンイチで横たわっている。

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私はそっと扉を閉じた。

 

そしてその足で居間に行き、見たものを母に詳細に語った。

 

「知ってる」

 

母も知らないふりをしていたらしい。

兄の願望ダダ洩れ